世界舌側矯正歯科学会に参加いたしました

こんにちは。

広島市中区橋本町の矯正歯科専門医院GOSI矯正歯科院長の伊藤です。

 暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は先週スペインのバルセロナで開催されました第8回世界舌側矯正歯科学会(WSLO)に参加してまいりました。

 

ちなみに昨年度も同時期に長期お休みをいただいておりましたが、昨年は第13回ESLO(ヨーロッパ舌側矯正歯科学会)に参加させていただきました。

 

会場のワールドトレードセンター

 

ESLO同様、WSLOも2年に1回開催される舌側矯正の学術大会になりますが、ESLOと異なるのは

ESLOがヨーロッパ各地で開催されるのと異なり、世界各地で行われる大会となります。

このため2021年には大阪にて学術大会が開催される予定となっております。

 

さて今回参加した主な理由は前回のESLO同様、認定医試験の受験にあります。

認定医試験は2症例が必要なESLOと異なり、3症例の審査が必須になります。

受験者番号は1番でした

 

もちろん治療の結果も問われるのですが、規定の様式に沿った資料の提出が必要となり、

その診査診断理由と治療後の自己評価をしっかりと記載する必要があります。

 

世界各地から認定医試験を受けるためこの度は約30名の先生が症例を展示し、厳密な審査を経て最終日に結果発表が行われました。

 

認定医試験が行われた会場

 

結果は3日目の夜に発表で、無事認定をいただけました。

開業時からWSLOおよびESLO共に、認定をいただけたことを大変嬉しく思います。

ご協力いただきました患者さんの皆様、誠にありがとうございました。

賞状と授賞式の様子。大会長のEcharri先生、試験官のScuzzo先生、WSLO会長のLeClerc先生と。

 

もちろん学会ですので試験だけではありません。

様々な著名な先生のご講演、そして近年のリンガルブラケット矯正法の実際を述べられた口演を拝聴する良い機会となりましたが、

どの口演でもやはりデジタル化が大変進んでいる印象を受けました。

     

学会会場にて

 

 

現在では矯正治療中だけでなく、矯正治療後の保定装置もデジタルで作成する技術があります。

 

このように、マウスピース型矯正装置も舌側矯正装置(リンガルブラケット矯正法)に限らず、

すべての矯正治療において昨今デジタル化が著しいですが、現状デジタルで全てを網羅することができるとは考えておりません。

 

学会中サグラダファミリア教会へ足を運ぶことがありました。

そこでも近代化に伴い、CAD-CAM技術を利用しながら建築を継続していましたが、

一方で必要な部分は細やかな手作業による調整を行なっているようでした。

 

昔と今のラボの違い

3Dプリンターのような機械がある現在のラボは、作業風景を直接見ることができます

 

このように世界遺産でさえも現代デジタル技術を使用しており、デジタルが工期を150年も短くするという多大な貢献をしている一方で

最終的な細やかな部分は繊細な職人による手作業が必要であるという部分は

現在歯科矯正を取り巻く環境と酷似しているように感じます。

 

 

当然、古くから舌側矯正に従事されている先生方の中には、デジタルに頼ることなく

従来型のアナログ矯正のメリットを十分に生かし、非常に優れた矯正治療結果を出し続けていらっしゃる先生もおります。

一方でデジタル矯正の第一線で治療をされている先生もデジタルのメリットを存分に発揮して治療を終えておられる方もおられます。

 

どれが優れているとか、どちらが劣っているという話ではなく、それぞれのメリットを活かせたハイブリッドな矯正治療を行うことができれば

患者・医師ともに非常に大きな利益が生まれると私は考えております。

 

このようにデジタルをアナログに取り入れた技術を今後も研鑽し、皆様に合った治療をできるよう努めるため

過去の治療法は元より、現代の矯正治療技術を勉強する必要があります。

 

このため、私としては可能な限り様々な学会への参加を心がけたいと思っております。

また、もしその折に自分のその分野での考えが正しいのか評価できる環境(試験など)があれば

積極的に利用をしていきたいとも思っております。

たまたま出会った広島大学矯正科時代の台湾出身の同級生と。同級生も無事合格いたしました。

 

※7/30のWSLOオフィシャルFacebookページに院長が出演しました。ぜひご覧ください。

現在、学会や歯科医師会のため非常に予約が取りにくく大変ご迷惑をおかけしております。

何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。